以前、誰かのHPか写真集でみた風景なのだが、いつかは撮りたいと思っていた場所にやっと行くことができた。昨年より休みのたびにライブカメラや天気図とにらめっこしながら、ずっと機会を待っていた。しかし、なかなか条件の良い日には巡り合わず、しかもこのところ富士山は午後になると雲が湧くパターンの連続でやや諦め気味であった。待てば海路の日和ありというが、そのチャンスは案外早く訪れた。正月3日は全国的に好天に恵まれ、絶好の撮影日和となった。
現地には日没1時間くらい前に到着。撮影している人はいない。三脚を立てて撮影開始。ここは夕景だけでなく、朝も昼も絵になる場所だ。
だんだんと日が暮れて湾内が朱に染まる。まるで印象派の絵画を見ているようだ。
気がつけば数人のカメラマンが来ていた。大方富士山が目当てであるが、風景屋さんはこの時点でほとんど撮影を終了して帰ってしまった。でも、この後の蒼い時間こそ最もドラマチックな光景なのだ。
刻々と暗くなっていく夕闇の中、乾いたシャッター音だけが響いた。